開口国際特許事務所

PCT出願を検討する日本企業が知っておくべきメリットと注意点

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PCT出願を検討する日本企業が知っておくべきメリットと注意点

PCT出願を検討する日本企業が知っておくべきメリットと注意点

日本企業がPCT出願を活用するための基礎知識と実務ポイント

海外市場への進出を視野に入れる際、自社の技術や発明をいかに守るかは経営上の大きな課題です。日本で取得した特許は国内でしか効力を持たないため、海外展開を成功させるには進出先での権利取得が欠かせません。そこで多くの日本企業が活用しているのがPCT出願という制度です。一度の出願手続きで150か国以上に同時出願したのと同様の効果が得られるこの仕組みは、グローバルな知的財産戦略において非常に有効な選択肢となっています。

しかし、制度を正しく理解していないと思わぬ落とし穴にはまることもあるでしょう。ここでは、PCT出願が選ばれる背景から具体的なメリット、そして見落としがちな注意点まで、海外展開を目指す経営層が押さえておくべきポイントを順を追って解説していきます。

日本企業がPCT出願を選ぶ背景とその理由

日本企業がPCT出願を選ぶ背景とその理由

グローバル化が進む現代において、日本企業にとって海外進出は経営戦略上欠かせない選択肢です。製品やサービスを海外市場で展開する際、自社の技術や発明を適切に保護することは事業成功に直結します。しかし、日本で取得した特許権は国内でのみ有効であり、海外では一切通用しません。この「属地主義」と呼ばれる考え方が、日本企業にPCT出願が選ばれる大きな背景となっています。

海外での特許取得における従来の課題

海外で技術を守るには、権利を得たい国ごとに個別の特許出願を行わなければなりません。複数の国で特許を取得しようとする場合、それぞれの国の言語や法律に沿った申請書類を用意し、各国の特許庁へ直接出願する必要があります。この方法は時間的にもコスト的にも負担が大きく、とくに中小企業やスタートアップには重荷となっていました。

PCT出願制度が誕生した背景

PCT(特許協力条約)は、世界的に増加する特許出願に対して出願人と各国特許庁の双方が抱える負担を軽減する目的で誕生しました。1978年に発効し、現在では158か国が加盟しています。出願書類を1つの言語で作成し、所定の特許庁に提出するだけで、加盟国すべてに同時出願したのと同様の効果を得られます。

日本企業を取り巻く環境変化

近年、日本企業の事業活動は着実にグローバル化しています。海外への直接投資や現地法人の設立、製品の輸出など、国境を越えた事業展開が当たり前になりつつあります。一方で、人や物、情報が容易に国境を越えて移動できる時代だからこそ、企業が保有する技術が外部に漏れるリスクも高まっているのです。

知的財産への投資を怠り、無防備に海外進出することは、模倣品の氾濫や技術流出といった深刻なリスクを招きます。日本国内でしか特許を取得していなかったために、海外で安価な模造品が出回り、ビジネスに打撃を受けた事例も少なくありません。こうした背景から、海外展開を見据えた知的財産戦略としてPCT出願の必要性が高まっています。

PCT出願を活用する日本企業にとってのメリット

PCT出願を活用する日本企業にとってのメリット

PCT出願は、海外展開を目指す日本企業に多くのメリットをもたらす制度です。一度の出願手続きで150か国以上の加盟国に同時出願したのと同様の効果が得られるため、グローバルな知的財産戦略を効率よく進められます。

出願手続きの簡便さと出願日の早期確保

PCT出願の大きな利点は、日本の特許庁に対して日本語で手続きを行える点です。権利を取得したい国ごとに出願書類を作成する必要がなく、手続きにかかる負担を大幅に軽減できます。

特許の世界では「先願主義」という早い者勝ちのルールが採用されています。複数国への個別出願では翻訳作業に時間を取られてしまいますが、PCT出願であれば日本語での出願によって加盟国の出願日をまとめて確保できるため、急ぎの案件にも対応しやすくなります。

権利化判断の猶予期間を確保できる

パリ条約に基づく直接出願(パリルート)では、日本での出願日から12か月以内に各国への出願手続きを完了させなければなりません。一方、PCT出願を利用すれば、優先日から原則30か月以内に国内移行手続きを行えばよいため、約1年半もの猶予期間を確保できます。

この期間を活用することで、製品の売れ行きや市場動向を見極めたうえで権利化する国を決定できます。翻訳文の作成に十分な時間を確保できるほか、費用の発生時期を分散させることも可能です。

特許性に関する情報を事前に入手できる

PCT出願を行うと、国際調査機関による「国際調査」が実施されます。出願した発明と同一または類似の発明が過去にあったかどうかが調査され、新規性や進歩性についての審査官の見解が示されます。

国内移行費用が発生する前にこうした情報を得られることは、経営判断において有用です。特許として認められる可能性が高ければ各国への移行を進められますし、難しい場合は出願内容を見直したり、移行を取りやめて費用を節約したりする選択も可能です。

日本企業がPCT出願で押さえるべき注意点と対策

PCT出願は海外での特許取得を効率化する優れた制度ですが、正しく理解していないと思わぬ落とし穴にはまることがあります。日本企業が陥りがちな注意点を事前に把握し、適切な対策を講じることで、PCT出願のメリットを最大限に活かせるでしょう。

PCT出願だけでは特許権を取得できない

もっとも多い誤解が、PCT出願をすれば世界中で特許が取得できるという認識です。実際には、PCT出願は「出願」という手続きを一本化するための仕組みであり、出願しただけでは特許権は生じません。いわゆる「世界特許」は存在せず、権利を取得したい国ごとに「国内移行手続き」を行い、各国の審査を通過して初めて特許権が認められます。

国内移行手続きの期限は優先日から原則30か月であり、この期限を過ぎると権利化の機会を失ってしまいます。

日本を指定国に含める場合の自己指定

日本出願を基礎に優先権を主張してPCT出願を行う場合、指定国に日本が含まれていると「自己指定」とみなされ、基礎となる日本出願は取り下げられたものとして扱われます。

基礎の日本出願を維持したい場合は、願書において日本を指定国から除外する手続きが必要です。この手続きは願書の中で行うか、優先日から1年4か月以内に別途行わなければなりません。

PCT非加盟国への出願は別途対応が必要

PCTには158か国が加盟していますが、すべての国が参加しているわけではありません。たとえば台湾はPCTに加盟しておらず、PCT出願を経由した出願ができません。進出を検討している国や地域にPCT非加盟国が含まれている場合は、パリ条約に基づく直接出願など別のルートで対応する必要があります。

出願国が少ない場合はコスト面で不利になることも

PCT出願は多くの国で権利化を目指す場合に効果的ですが、出願国が1か国から2か国程度に限られている場合は、パリルートで直接出願した方がコストを抑えられるケースがあります。一般的に3か国以上で特許取得を検討している場合にPCT出願が有利です。

PCT出願で海外展開を成功させるために知っておきたいこと

日本企業が海外展開を進めるうえで、PCT出願は知的財産を効率的に保護するための有効な手段です。日本語で出願できること、優先日から30か月の猶予期間で権利化する国を見極められること、国際調査報告で特許性の見通しを事前に把握できることなど、多くの利点があります。一方で、PCT出願だけでは特許権が発生しないことや自己指定による基礎出願の取り下げリスク、PCT非加盟国への対応が別途必要になることなど、押さえておくべきポイントも存在します。

開口国際特許事務所は弁理士として20年以上の実務経験を持っています。ロボットアームや農業機械、自動車関連部品、半導体など幅広い技術分野に精通しています。英語対応が可能なため、海外代理人とのやり取りや交渉支援もスムーズに行えます。PCT出願から各国への国内移行手続きまで、グローバルな知的財産戦略を強力にサポートしますので、海外展開における特許取得をご検討の際はお気軽にご相談ください。

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